東京大学 物性研究所 国際超強磁場科学研究施設

令和8年度 第9回 強磁場コラボラトリーセミナー

分子性物質の多彩なダイナミクス ―スピン液体の一次元的スピンダイナミクスからメモリスタ発振まで―

日程 : 2026年10月30日(金) 11:00 - 12:00

場所 : オンライン(Zoom)

講師 : 大島 勇吾 専任研究員

所属 : 理化学研究所

主催 : 強磁場コラボラトリー

世話人 : 木村尚次郎(東北大学)

e-mail : shojiro.kimura.b5@tohoku.ac.jp

分子性物質では、スピン、電荷、格子などの自由度が互いに結合することで、多彩な電子状態とダイナミクスが現れる。本セミナーでは、最近われわれが研究を進めている二つの話題を紹介する。前半では、量子スピン液体候補物質EtMe₃Sb[Pd(dmit)₂]₂を対象に、ESRおよびµSR測定から明らかになった強い異方性をもつスピンダイナミクスと、その一次元的な描像について紹介する。後半では、電子相転移を示す分子性物質が、入力履歴に依存した抵抗変化を示す「メモリスタ」として動作することを紹介する。さらに、この非線形な電気応答を利用することで、簡便な回路から自励発振やニューロン様スパイク発火が実現できることを示す。これらの研究を通して、分子性物質が示す多彩なダイナミクスを「観測する」研究から「機能として利用する」研究への展開について議論する。