
| Date : | 2026/9/8 14:00 - 15:00 |
| Location : | Online(Zoom) |
| Speaker : | Yoh Matsuki, Associate Professor |
| Affiliation : | Institute for Protein Research, Osaka University Center for Quantum Information and Quantum Biology, Osaka University |
| Organizer : | The High Magnetic Field Collaboratory |
| Committee Chair : | Yutaka Fujii (University of Fukui) |
| e-mail : | yfujii@u-fukui.ac.jp |
マジック角回転(MAS)・固体核磁気共鳴(NMR)法は、不溶性・非結晶性の分子や、ブラウン運動が制限された超分子複合体などの材料を対象として、試料を精製することなく、夾雑物や混合物中で、いわゆる in situ、in operando の化学的・構造的解析を可能とする数少ない手法である。我々はこの特性を活かし、MAS・固体NMR法を用いて、神経変性疾患の原因となるタンパク質凝集体であるアミロイド線維や、脂質二重膜に埋め込まれた膜タンパク質などの構造研究を行ってきた。また、セルロースナノファイバーや、ポリマーフィルム表面に形成されたナノスケールの有機修飾層、無機材料の表面構造などの解析にも応用し、マテリアル研究への展開も進めている。
一方、試料を精製・濃縮することなく in situ、in operando で固体NMR測定を行う場合には、試料量や測定条件に制約が生じ、十分な感度を確保することが難しい場合がある。スピン超偏極(DNP)法は、こうした感度上の制約を克服する有力なアプローチの一つである。我々はこの15年ほど、DNPに関する装置開発と方法論開発に注力してきた。装置開発では、液体ヘリウムを消費することなく低温環境を安定に維持しながら試料管を毎秒1万回転で高速回転させるNMRプローブや、低温検出器の開発に取り組んできた。また、方法論開発では、偏極剤分子周辺のナノ空間を高感度に観測する「ケミカルルーペ法」を開発してきた。本セミナーでは、これらの最近の技術的な進捗について紹介する。
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