International MegaGauss Science Laboratory, the Institute for Solid State Physics

ISSP Colloquiums

メガガウス超強磁場における物性研究
Date : 2024/2/1 15:00 - 16:00
Place : On Zoom and Lecture Room A632, ISSP(Hybrid)
Lecturer : Atsuhiko Miyata
Affiliation : ISSP
Committee Chair : Naoki Kawashima, Taro Nakajima
e-mail : danwakai@issp.u-tokyo.ac.jp

磁場は、あらゆる物質系の状態に影響を与える強力な熱力学的パラメータであり、優れた実験ツールとして幅広く利用されている。しかし、「1テスラ」のゼーマンエネルギーは、たかだか「1ケルビン」の熱エネルギーに匹敵する程度である。そのため、エネルギースケールの大きな量子マテリアルの理解には、超強磁場(数十〜数百テスラ)が広く求められている。東京大学物性研究所は、非破壊型のパルスマグネットにより100 T級の磁場発生、そしてマグネットの破壊を伴ってしまうが1000 T級の磁場発生を可能としている世界で唯一の研究施設である。 これまで、非破壊と破壊型の両マグネットを駆使して様々な物質群(有機無機ペロブスカイト半導体、フラストレート磁性体、トポロジカル絶縁体など)の強磁場物性研究に取り組んできた。また、今後の研究計画の一つとして、磁性と電子状態が強く結合したファンデルワールス磁性体の磁気光学測定に取り組んでおり、強磁場印加による巨大な線形二色性の制御、そしてバンド端の巨大なエネルギーシフト(磁気クロミズム)を観測している。本講演では、これまで携わってきた強磁場物性研究に触れつつ、今後の研究計画の展望について述べていく。

【講師紹介】


宮田先生は令和5年4月に国際超強磁場科学研究施設に着任されました。宮田研究室は非破壊パルスマグネットの開発と強磁場物性測定を強みとする研究室で、強磁場とレーザーの両方を使った磁気光学分光など特色ある研究を展開しています。着任にあたって、今後の研究の展開などについてご講演いただけるものと思います。是非皆様ご来場ください。