International MegaGauss Science Laboratory, the Institute for Solid State Physics

(R3) The 6th High Magnetic Field Collaboratory Online Seminar

極低温における核磁気共鳴・電子スピン共鳴法を用いた磁性研究

日程 : 2021年10月6日(月) 10:30 - 11:30

場所 : オンライン

講師 : 藤井 裕 准教授

所属 : 福井大学 赤外領域開発研究センター

主催 : 強磁場コラボラトリー

世話人 : 大阪大学 鳴海 康雄

e-mail : narumi@ahmf.sci.osaka-u.ac.jp

要旨:

これまで行ってきた極低温・強磁場(パルス磁場ではない)での磁性研究から以下の話題について講演いたします。あわせて、福井大学遠赤外領域開発研究センターにおける強磁場利用についても簡単に触れる予定です。時間が許せば、ほかの低次元磁性体の話題も簡単に触れる予定です。

(1) 希釈冷凍機ミリ波ESR/NMR二重磁気共鳴測定:純良なシリコン結晶にリンをドープした試料(Si:P)は量子コンピュータの候補デバイスとして注目されている。ドナー電子のESR遷移による動的核偏極効果を用いた^31^P-NMR信号検出を試みている。ミリ波のFabry-Perot共振器にNMRコイルとしてmeanderlineと呼ばれる蛇型回路を組み込んだ二重磁気共鳴用共振器を開発し、^31^P-NMR信号検出に成功した。

(2) 一次元反強磁性量子スピン鎖のNMR:有機ラジカル結晶F_5_PNN (pentafluorophenyl-nitronyl-nitroxide) はS = 1/2反強磁性結合交替鎖モデルであり、NMR等から磁場中での朝永-ラッティンジャー液体状態が示唆されている[2-4]。我々は最近、重水素化したD-F_5_PNN単結晶試料を用いた^19^F-NMR測定を行っている。低温で緩和率が温度のべき 1/T_1_ 〜 T^γ^に従う振る舞いが得られ、飽和磁場近傍で量子臨界点の振る舞い(γ = -0.5)が示唆される。

 

[1] Y. Ishikawa et al.: Appl. Magn. Reson. 52 (2021) 317 and references therein.

[2] M. Takahashi et al.: Mol. Cryst. Liq. Cryst. 306 (1997) 111.

[3] K. Izumi et al.: Physica B, 329-333 (2003) 1191.

[4] Y. Inagaki et al.: JPSJ 86 (2017) 113706.